不動産コラム

転居届に必要なものは?手続きの流れなどを解説

2022/11/25

引っ越しをするときに忘れてはいけないことが、役所の手続きです。特に、旧住所(引っ越し前に住んでいる住所)における「転出届」あるいは「転居届」の提出を行わないと、そのほかに行う住所変更の手続きに影響が出てしまいます。

この記事では、同じ市区町村内で引っ越しをする場合に提出が必要な「転居届」について、必要なものや手続きの流れを詳しく解説します。手続きには期間が決まっていて、それを過ぎてしまうと罰金が取られることもあります。本人や家族が忙しい場合や病気やけがで手続きができないときには、代理人による提出も可能です。

転居届の提出は引っ越しにおいて大切な手続きですので、しっかりチェックしておきましょう。

転居届とは?

転居届(てんきょとどけ)とは、旧住所と同じ市区町村内で引っ越しをするときに役所に提出するものです。引っ越しをした当日から14日以内に手続きを行います。正当な理由がなく14日以内に手続きを行わなかった場合、最大5万円の過料に処せられる可能性があるので、注意しましょう。

提出先は居住地の役所で、本人・世帯主・本人と同一世帯の人・代理人のいずれでも手続きが行えます。

転居届と転出届の違いは?

転居届が旧住所と同じ市区町村内で引っ越しをする際に提出するのに対し、転出届は旧住所とは別の市区町村に引っ越しをする際に提出します。

転出届は引っ越し前にも手続きを済ませることができますが、転居届は引っ越し後に手続きを行います。

転居届と転入届の違いは?

転入届(てんにゅうとどけ)は、新しい住所に引っ越したあとに、その市区町村の住民基本台帳に登録するための手続きとなります。新住所と別の市区町村から引越ししてきた場合に手続きを行う必要があります。同じ市区町村内での引っ越しの場合、転居届だけで、転入届を提出する必要はありません。

転居届の提出に必要なものは?

転居届を提出するときには、以下のものを持参する必要があります。

  • 提出者の本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
  • 印鑑(自治体によってはなくても手続き可能なケースがあります)
  • 転居届(役所・役場に用意してあります)
  • 国民健康保険証、高齢者医療受給者証、乳幼児医療証など(該当者のみ)
  • 印鑑登録証(登録者のみ)
  • マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード(転居する全員分)
  • 覚えていない場合、新しい住所をメモした紙など

なお、手続きに手数料はかかりません。

転居届提出の流れ

転居届の手続きは、住んでいる市区町村の役所の窓口で行います。引っ越し前に手続きを行うことはできないので、引っ越しをした当日から14日以内にする必要があります。

なお、転居届の提出は郵便ではできません。

転居届の提出は、以下のような流れで行います。 ①旧住所(新住所)を管轄している役所の窓口に行く ②役所に置いてある転居届に必要事項を記入する ③転居届を提出する

自分で役所へ行き、手続きができないときは?

転居届は、決められた期間内に窓口で手続きを行う必要があります。しかし、仕事の都合や、病気・けが、そのほかどうしても平日に自分で役所に行って手続きを行うことができないケースもあるでしょう。そのようなときは、以下のような方法での提出も可能です。

  • 役所の土日窓口を利用する
  • 代理人による手続きを行う
  • 行政書士に手続きを依頼する

役所の土日窓口を利用する

仕事の都合などで、平日に役所に行けない場合は、土日窓口を利用しましょう。ただし、自治体によって土日の窓口利用がそもそもできない場合もありますし、受付時間が限られていることもあります。行く前に、必ずお住まいの自治体のホームページを確認しましょう。

代理人による手続きを行う

転居届は、同じ世帯内の家族であれば手続き可能です。もし、同じ世帯内の家族でだれも行くことができない場合、それ以外の人が代理人になり、手続きを行うことも可能です。代理人による提出の場合、必要なものが少し変わりますので、注意が必要です。

代理人による転居届提出に必要なもの

  • 代理人の本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  • 代理人の印鑑
  • 委任状
  • 転居届を提出する人の印鑑
  • 転居届を提出する人のマイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード
  • 転居届を提出する人の国民健康保険証・乳児医療小・後期高齢者医療保険被保険者証・介護保険証・年金手帳など(持っている場合のみ)

なお、委任状は自治体の窓口でもらえる場合や、ホームページでダウンロードできる場合もあります。委任状のフォーマットは各自治体によって異なることが多いため、事前に確認しておきましょう。委任状が必要な場合、不要な場合は以下のとおりです。

【委任状が必要な場合】

  • 同居の別世帯家族
  • 別居の親子

【委任状が不要な場合】

  • 同居の同世帯家族
  • 同棲しているカップル(※同一世帯の届け出を出している場合に限ります)

上記のとおり、同じ住所に住んでいる場合でも、生計をともにしない場合(同居の別世帯家族)や、親子の血のつながりがあっても同居していない場合(別居の親子)は委任状が必要となります。

行政書士に手続きを依頼する

親戚や知人に代理人となることを依頼できない場合は、行政書士に代理で手続きしてもらうという選択肢もあります。しかし、公的な手続きを代理で申請するという業務は法律上、民間企業では認められていません。怪しい業者に頼むことのないよう、きちんと調べたうえで依頼する行政書士を選びましょう。

転居届だけではなく、転出届や転入届もインターネットでの手続きはできません。

「e転居」でネット手続きができるのは郵便局での転居届

サービス内容が似ているのでまぎらわしいのですが、郵便局のサービスで「e転居」というものがあります。こちらの「e転居」でできるのは、郵便局の住所変更の手続きです。役所で行う住民票の手続きとはまったく違うものですので、注意が必要です。

「e転居」では、ゆうパックなどを含む郵便物の住所変更を行い、旧住所宛ての郵便物を新しい住所に転送してもらうことができます。

転居届と一緒に役所でできる手続き

親戚や知人に転居届を提出する際(転出届や転入届の提出の場合も同じ)に、一緒に役所でできる手続きは以下のように多くあります。

  • マイナンバーカードの住所変更手続き
  • 国民保険の資格喪失手続き
  • 国民年金の住所変更手続き
  • 印鑑証明の登録抹消や、登録手続き
  • 介護保険の引っ越し手続き
  • 妊娠中の受診表や、補助券の交換手続き
  • 児童手当の変更手続き
  • 愛犬などのペットの登録変更手続き

お住まいの場所によっては、役所が遠かったり、開庁時間が限られていたりするケースもあるでしょう。そうでなくても役所に何度も足を運ぶのは面倒ですよね。該当するものがある場合は、ぜひまとめて手続きをしてみてはいかがでしょうか。

まとめ:転居届の提出も忘れずに準備を

いかがでしたか?転居届は引っ越しをしたあとでなければ手続きができません。そのため、引っ越しをしたばかりで慌ただしく、忘れてしまいやすい手続きのひとつです。

「同じ市区町村内での引っ越しだから手続きをしなくてもそんなに大きな問題はないだろう」と考える方もいるかもしれません。しかし、転居届の手続きを忘れると日々の生活で面倒なことが起きたり、罰金が科せられたりする可能性もあります。

ぜひ、この記事でご紹介した内容を確認して大切な手続きをし忘れないようにしてくださいね。

ページの先頭へ