不動産コラム

18歳でも賃貸契約できる?法律改正で親の同意なしに!審査や注意点は

2023/03/03

18歳になり、進学や就職で新しく一人暮らしを始める方は多いはずです。そんなとき、

「18歳は親なしで賃貸契約できる?」

「高校生でも部屋を借りられる?」

「入居審査に通らないって本当?」

「部屋探しの流れや注意点を知りたい」

など、たくさんの疑問や不安が出てきますよね。


そこで今回は、初めて賃貸契約をする18歳の方のために、賃貸契約に関する法律や入居審査に通過する方法を徹底解説していきます。さらに、契約前に知っておきたい注意点も解説していますので、新生活をスムーズに始めたい方はぜひチェックしてください。

18歳は一人で賃貸契約できるの部屋探しは安全な立地であることが何より大事!

18歳以上の方は、親の同意なしで賃貸契約を結ぶことができます。数年前までは、親などの法定代理人(親権者または未成年後見人)の同意が必須でしたが、2022年4月1日からは18歳以上であれば同意なしで賃貸借契約を結べるようになりました。


法定代理人の同意なしで、賃貸契約ができるようになった理由や現状について解説します。

法律改正で成人年齢が引き下げに

法律(民法)改正により、2022年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられました。それにともない、18歳以上の成人であれば法定代理人の同意なしで、さまざまな契約を結べるようになりました。


未成年者が契約する場合、法定代理人の同意が必要(民法第5条)なのは今でも変わりません。成人年齢が18歳に引き下げられたことで、18歳・19歳が親の許可なしで賃貸契約を結べるようになったのです。


成人年齢引き下げにともない、18歳以上で次のようなことができるようになりました。

  • 親権者同意なしの契約(賃貸借契約・携帯電話契約・クレジットカード契約・ローン契約など)
  • 結婚
  • パスポートの取得(10年有効)
  • 国家資格の取得 など

ただし、飲酒・喫煙・競馬(投票券の購入)などは、従来どおり20歳以上にならないとできませんので注意しましょう。

高校生も親の許可なしで賃貸契約できる?

高校生でも、18歳以上であれば親の同意なしで賃貸契約はできます。ただし、実際は難しいでしょう。


支払い能力が低い高校生は、入居審査に通らないためです。法律(民法)上で契約ができることと、入居審査が通ることはまったく別の問題です。高校生や大学生が部屋を借りるには、収入の安定した親が契約者(もしくは連帯保証人)になるのが一般的です。

18歳の賃貸契約における現状

18歳が賃貸契約をする場合、今までどおり親の同意を求められる場合が多いでしょう。たとえ就職していても、18歳だと収入が低い・安定しないことが多いためです。親の許可を得て、親を契約者(または連帯保証人)にしたほうが、審査が通りやすく物件の選択肢も広がります。


ただし、

  • 親に収入がない
  • 親がいない(亡くなった)
  • 頼めない理由がある

など、さまざまな事情をかかえる方もいます。


物件によっては、親の同意なしが可能な場合や、親権者以外の親族に保証人を頼める場合がありますので、まずは不動産会社に相談してみましょう。(保証人の条件は、不動産会社や物件によりことなります。)

18歳で賃貸契約の審査を通過する方法

18歳で賃貸借契約を結ぶとき、一番の難関は入居審査を通過することです。年齢に関わらず、入居審査では次のような項目がチェックされます。

  • 収入
  • 職業(勤務先)
  • 雇用形態
  • 個人信用情報
  • 連帯保証人
  • 人柄、マナー など

上記の項目をふまえつつ、18歳が入居審査をスムーズに通過するための3つの方法をご紹介します。

  • 親権者を契約者にする
  • 親権者を連帯保証人にする
  • 収入が安定していることを示す

1.親権者を契約者にする

18歳が賃貸契約をするとき、一番スムーズに入居審査を通過する方法は、親権者を契約者にすることです。親に安定した収入がある場合は、親を契約者にしましょう。信用度が高い人が契約者になるほど入居審査が有利になり、選べる物件数も多くなります。


ただし、親(親権者)を契約者にした場合、

  • 入居者と契約者が違うことを事前説明する
  • 自分(子供)名義に変更するときに手間や費用がかかる
  • 連帯保証人を親権者以外で見つける必要がある

という注意点があります。

2.親権者を連帯保証人にする

次におすすめの方法が、自分(子供)が契約者となり、親を連帯保証人にする方法です。家賃滞納が起こっても、親権者への家賃請求が可能になるため、審査に通る可能性が高いです。自分が契約者になることで、責任と自覚がうまれるメリットもあります。


ただし、契約のために実印・印鑑登録などを自分で用意する必要があります。

3.収入が安定していることを示す

18歳が、親の同意なしで一人で賃貸借契約を結ぶときは、契約者本人に家賃の支払い能力があることを証明する必要があります。働いている方であれば源泉徴収票・収入証明書などを提出しましょう。高校を卒業してすぐの場合は、就職予定がある・預貯金があることを示す必要があります。


また、

  • 雇用形態がアルバイト・パート
  • 個人信用情報に問題がある(滞納歴など)
  • 収入に対して家賃が高い
  • マナーや人柄が悪い

などの場合は、審査に落ちやすくなりますので注意が必要です。


親に頼れない場合は、親権者以外の親族に連帯保証人を頼むか、家賃保証会社を利用します。家賃保証会社を利用するにも審査が必要ですので覚えておきましょう。

関連記事:賃貸の審査に通らないのはなぜ?審査に落ちる人と通る人の違い【ROOMSELECT】

18歳の賃貸契約で注意すること

18歳で賃貸契約を結ぶ場合、人生で初めての契約であることが多いでしょう。ここでは、18歳の賃貸契約で注意すべき3つのポイントをご紹介します。

  • 賃貸契約の手順・流れを知る
  • 一人暮らしの費用を知る
  • トラブルを起こさない

1.賃貸契約の手順・流れを知る

お部屋探しから賃貸契約までの主な流れは次のとおりです。

  • 部屋の条件を決める
  • 物件を探す
  • 内見する
  • 申し込む
  • 入居審査を受ける
  • 賃貸契約を結ぶ

住みたい部屋の条件(家賃・場所・広さ・設備など)を決めたら、インターネットや不動産会社・雑誌を使って物件を探します。気になった物件は、内見して部屋の状態や設備・周辺環境を自分の目で確認しましょう。


物件によっては、申し込みの際に『申込金』を支払います。申込金は、契約しなければ返金され、契約すれば契約金の一部に充てられます。


申込書の内容をもとに、入居審査がおこなわれます。契約者本人や連帯保証人の勤務先・年収などの情報のほか、物件によっては身分証明書・住民票・収入証明書などが必要です。連帯保証人がいない場合は、家賃保証会社を利用しましょう。


入居審査に通過したら、賃貸契約に進みます。契約前におこなわれる『重要事項説明』と『賃貸借契約書』の内容は特にしっかりと確認し、納得した上で契約を結びましょう。

2.一人暮らしの費用を知る

18歳で初めて一人暮らしをするときには、部屋選びの前に一人暮らしに必要な費用(初期費用・毎月の生活費)を知っておきましょう。自分の収入にあった部屋を選ばないと、その後の生活が大変になったり、家賃滞納をしたりするためです。


初期費用とは、部屋を借りる際に最初にかかる費用です。相場は家賃の4〜6ヶ月分といわれており、次のような項目があります。

  • 敷金
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • 前家賃(日割り家賃)
  • 鍵交換費
  • 保証会社利用料 など

その他、引っ越し費用や家具・家電の購入費用も必要です。


関連記事:【ROOMSELECT】お部屋を借りるときの初期費用を抑える8つのコツ!内訳と相場も解説


生活費とは、日常生活で最低限必要な費用のことです。一人暮らしの毎月の生活費の相場は、12~15万円と言われています(地域によりことなります)。


生活費には、主に次のような項目があります。

  • 家賃
  • 食費・日用品代
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 交通費
  • 医療費
  • 交際費 など

このうち、家賃は収入の25~30%を目安にしましょう。


一人暮らしに必要な費用を知らずに部屋を借りて家賃を滞納すると、個人信用情報にキズがつきます(記録が残る)。今後のローンやクレジットカード審査にも影響がでますので、注意が必要です。

3.トラブルを起こさない

18歳が賃貸契約をするとき、注意したいのがマナーや契約に関するトラブルです。賃貸契約も、一人暮らしも初めての方が多いためです。


マナーに関するトラブルで特に多いのが、騒音トラブルとゴミ出しトラブルです。騒音トラブルでは、若者同士で集まって騒いだり、ステレオの音量を大きくしすぎたりして周辺住民の迷惑にならないように気をつけましょう。ごみ出しの曜日や時間を守ることも当然のマナーです。


契約に関するトラブルでは、

  • 勝手にペットを飼う
  • 単身者用の部屋で同居する
  • 部屋をリノベする
  • 退去通知が遅れる
  • 家賃を滞納する

などがあります。これらの禁止事項・ルールは『賃貸借契約書』や『重要事項説明書』に記載されていますので、しっかりと把握しましょう。


成人である18歳は、親の同意なしで賃貸借契約ができます。しかしその一方で、契約に関する責任を自分一人で負う義務も発生します。未成年のように、親の同意がないからという理由で契約の取消しもできません。


成人として責任のある行動をとり、トラブルを起こさないようにしましょう。

まとめ

2022年の民法改正で成人年齢が引き下げられ、18歳以上であれば親権者の同意なしで賃貸契約が結べるようになりました。ただし入居審査に通らないことから、親の同意を求める不動産会社が多いのが現状です。


18歳の方が親の同意なしで部屋を借りる際には、本人に安定した収入があることを示し、親以外の親族を連帯保証人にするか家賃保証会社を利用する必要があります。


初めて賃貸契約をする際には、契約手順や一人暮らしに必要な費用を事前に確認し、トラブルなく新生活を送りましょう。

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