合鍵を勝手に作ってはいけない理由は、3つあります。
賃貸物件は借りている家ですから、そこに住んでいる人のものではありません。家賃を払ってその部屋に住む権利を得ているだけであり、部屋の所有権はあくまでも大家さんにあります。所有者が別にいるのですから、合鍵が作れないのは当然です。
大家さんの知らないところで合鍵が作られてしまうと、防犯性が下がります。
大家さん(賃貸人)は、民法第601条により、「使用収益させる義務」を負っています。これは、賃貸借の対象となる部屋を引き渡し、その部屋を適切に使えるように環境を整えるという義務です。貸主には、借主が安心・安全に暮らせるようにしなければならないため、借主が勝手に合鍵を作ってしまえば、この義務を果たせないことになります。
ですから勝手に合鍵を作ることは許されず、作るとしても大家さんの許可が必要なのです。
上記の理由から、合鍵がどうしても必要な場合は、大家さんもしくは管理会社に申し出て、許可を得てから作ることと、契約書に書いてあることが多いです。契約書に合鍵についての記載があるのに勝手に作れば、契約違反とみなされる可能性があります。
また、その部屋を使えるのは、賃貸借契約をしている人だけのはずです。しかし合鍵があれば、契約者以外の人が自分の部屋であるかのように利用できてしまうわけです。それは、賃貸借契約に沿った使い方とはいえず、この点からも契約違反になる可能性があります。
契約違反をしたからといってすぐに強制退去になることはないですが、鍵の交換などを求められる可能性があります。