不動産コラム

敷金礼金とは?ゼロ物件のデメリットや返ってくる仕組みも解説

2023/02/10

賃貸物件を借りるとき、初期費用としてよく耳にする『敷金』と『礼金』。しかし、


  • 敷金礼金って何のためのお金?
  • 返ってくるって本当?
  • 敷金礼金の相場は?
  • ゼロ物件はやめたほうがいい?

など、敷金礼金の使い道や仕組みがわからない方は多いですよね。


そこで今回は、敷金礼金の意味や使い道、平均相場や支払い方法について簡単にわかりやすくご紹介します。


敷金礼金なしの『ゼロゼロ物件』のメリット・デメリットも解説しますので、物件選びの際にはぜひ参考にしてください。

賃貸物件の敷金礼金と

賃貸物件の初期費用である敷金礼金の意味や使い道についてご紹介します。同じ初期費用としてよく聞く仲介手数料や保証料との違いもしっかりと理解しておきましょう。

敷金とは

敷金とは、簡単にいうと借主(入居者)が貸主(大家さん)に預ける『担保』です。


敷金は、退去時の原状回復費用や家賃滞納が発生した場合に使われます。原状回復費用とは、借主が部屋を汚したり、損傷させたりした場合の修繕費用です。


敷金は、あくまで一時的に預けるお金です。そのため、使わなかった場合は、退去時に借主に返金されます。

礼金とは

礼金とは、借主(入居者)が貸主(大家さん)に支払う『謝礼』です。
そのため、一度支払ったら返金されることはありません。使い道も自由で、特に決まりはありません。

仲介手数料・保証金との違い

賃貸物件を借りるときに、敷金礼金と同じくよく聞く言葉に、仲介手数料・保証金があります。


仲介手数料とは、不動産屋さんに支払う手数料です。宅地建物取引業法により、仲介手数料の上限(貸主・借主双方の合計額)は、家賃の『家賃1.1ヵ月分(家賃1ヵ月+消費税10%)以内』と定められています。物件を紹介してもらうために必要な費用のため、一度支払えば返金はありません。


保証金とは、主に関西地方で使われる仕組みです。原状回復や家賃滞納に充てられ、退去時に返金されることから敷金に似た性質を持ちます。ただし、


  • 相場が高い(3~5ヶ月分)
  • 礼金の意味も併せ持つ場合が多い
  • 敷引き(決められた償却金額があること)がある

など細かい点で違いがあります。

敷金礼金の相場と支払い方法

次に、敷金礼金の平均相場や、いつ支払うのかについて解説します。

敷金礼金の相場とは

敷金礼金の相場は、それぞれ家賃の1ヶ月〜2ヶ月分です。(敷金と礼金をあわせると2~4ヶ月分)

ただし、地域や物件により金額は異なり、


  • 高級マンション
  • 戸建て
  • ペット可
  • 喫煙可
  • ファミリー向け

などの賃貸物件は、相場よりも高くなる傾向があります。


逆に、最近では敷金礼金なしの『ゼロゼロ物件』も増えています。詳しくは各物件の契約条件を確認しましょう。


ちなみに、敷金礼金以外の初期費用には次のようなものがあります。


  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • 前家賃(日割り家賃)
  • 鍵交換費
  • 保証会社利用料 など

初期費用全体の相場は、家賃の4〜6ヶ月分といわれています。そのため、敷金礼金が初期費用の半分以上を占めていることがわかります。

敷金礼金は毎月必要?いつ払うのか

敷金礼金は、賃貸契約時に必要な初期費用です。契約時に一度だけ支払うもので、家賃や共益費のように毎月支払う必要はありません。


支払い方法とタイミングは、銀行振り込みや現金支払いで、契約日当日までに支払うことが一般的です。分割で支払いたい場合は、クレジットカード払いが可能かを確認しましょう。


敷金礼金は、賃貸契約時に必要な初期費用です。契約時に一度だけ支払うもので、家賃や共益費のように毎月支払う必要はありません。


支払い方法とタイミングは、銀行振り込みや現金支払いで、契約日当日までに支払うことが一般的です。分割で支払いたい場合は、クレジットカード払いが可能かを確認しましょう。

敷金礼金なし(0・ゼロ)物件とは

賃貸物件のなかには、敷金礼金なし(0・ゼロ)の『ゼロゼロ物件』と呼ばれる物件があります。借主(入居者)にとっては嬉しい条件ですが、なぜこのような物件があるのでしょうか。


そこには、「空室をなくしたい」という貸主(大家さん)の意図があります。立地や条件面で人気のない物件では、貸主(大家さん)が敷金礼金をなし(ゼロ)にして入居者を集めやすくしているのです。


その他、UR賃貸住宅や契約期間が限定されている定期借家なども、敷金礼金なしで借りることができます。


そもそも敷金礼金は必要経費(必ずかかる費用)ではありません。貸主(不動産会社)側が納得すれば、敷金礼金なしで賃貸契約を結ぶことができます。

敷金礼金なしのメリット・デメリット

借主にとって、敷金礼金なしのゼロゼロ物件は魅力的です。しかし、実はよい面だけではありません。この章では、ゼロゼロ物件を選ぶときのメリット・デメリットや注意点をご紹介します。

敷金礼金なし(ゼロ)物件のメリット

ゼロゼロ物件の一番のメリットは、賃貸物件を借りるときの初期費用を抑えられることです。


敷金礼金は、初期費用の半分以上を占めています。その敷金礼金がゼロになれば、金銭的な負担はかなり軽くなるでしょう。余裕ができた分、引っ越しや家具にお金を使うこともできます。


また、振込などの面倒な手続きがなくなるというメリットもあります。

敷金礼金なし(ゼロ)物件のデメリット

敷金礼金なしのゼロゼロ物件は「やめたほうがいい」という声も聞かれます。その理由やデメリットは次のとおりです。


  • 条件が悪い
  • 退去時に費用がかかる
  • 特約事項がある
  • 家賃が高くなっている
  • 物件数が少ない

敷金礼金なしの物件には、入居者が決まらない事情がある可能性があります。その理由は、建物が古い、騒音がある、隣人トラブルがあるなどさまざまで、なかには理由を特定することが難しいケースもあります。


また敷金がないことで、退去時に修繕費用を請求されることがあります。その他にも、特約事項として、


  • ルームクリーニング代
  • 室内消毒代
  • 事務手数料
  • 鍵交換費用
  • 違約金

などが設定されていたり、家賃がその分高くなったりしていることもあります。

ゼロゼロ物件に限定して探すと、物件数が少ないため選択肢がせまくなるのもデメリットのひとつです。

敷金礼金でよくある3つの質問

敷金礼金に関するよくある3つの質問にお答えします。

敷金はいつ、どのくらい返ってくる?

敷金は、賃貸物件から退去するときに返金されます。退去後1ヶ月以内が目安ですが、具体的な期限は賃貸借契約書に記載がありますので、確認しましょう。


返還額は、以下のような計算に基づいて決定されます。(家賃滞納がない場合)
敷金の返還金額=初めに支払った敷金−退去費用(修繕や清掃に使われる費用)

敷金をたくさん返金してもらうには?

敷金をできるだけ多く返金してもらうために借主(入居者)ができることは、


  • 家賃滞納をしない
  • 部屋をきれいに使う
  • 不当な特約事項がない物件を選ぶ
  • 原状回復義務の知識をつける

などです。


借主(入居者)に原状回復義務があるのは『故意に・なまけて』部屋を汚したり設備を壊したりした場合です。具体的には、


  • 引っ越し作業でできたキズ
  • 不適切な手入れ・用法違反による設備の故障
  • タバコの臭い・ヤニによる汚れ
  • ペットによるキズ・臭い
  • 窓の閉め忘れによる床・窓枠の劣化

などがあげられます。このような行為をしないようにしましょう。


また、賃貸借契約書に特約事項として『ルームクリーニング費用の借主負担』などがある場合は、契約書の内容に従う必要があります。契約前に、不当な特約事項がないかを確認しましょう。


高額な請求をされた際には、しっかりと抗議しましょう。原状回復に関して詳しく知りたい方は、国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』を参考にしてください。

敷金礼金は更新時にも必要?

賃貸契約更新の際は、敷金礼金を支払う必要はありません。敷金礼金を支払うのは、賃貸契約時の一度だけです。


契約更新時に必要な費用には、


  • 更新料
  • 更新手数料(または更新契約労務報酬)
  • 火災保険料

などがあります。

まとめ

敷金礼金は賃貸物件の契約時に必要な初期費用で、それぞれ家賃の1〜2ヶ月分が相場となっています。


敷金は家賃滞納や修繕費のための担保で、退去時に費用を差し引き返金されます。礼金は貸主(大家さん)への謝礼のため返金はされません。


敷金礼金なしのゼロゼロ物件を利用すれば、初期費用を大幅に減らすことができます。ただし、
  • 条件が悪い
  • 退去時に費用がかかる
  • 特約事項がある
  • 家賃が高くなっている
  • 物件数が少ない

などのデメリットもあります。ゼロゼロ物件を選ぶ際には、物件や契約の条件をしっかりと確認しましょう。

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