「メゾネットタイプ」とは、アパートやマンションなどの共同住宅の間取りのひとつです。室内に階段があり、上階と下階の2階層(物件によっては3階層)で構成されることが特徴です。
言い方を変えると「2階や3階があるアパート/マンションのお部屋」がメゾネットタイプです。
複数層のお部屋をメゾネットタイプと呼ぶのに対して、1層で構成されるお部屋は「フラットタイプ」と呼びます。アパートやマンションの中でメゾネットタイプの割合は低く、多くはフラットタイプのお部屋です。
メゾネットタイプの「メゾネット」は元々はフランス語の「Meisonnette=”小さな家”」が語源ですが、日本では「複層住戸」の意味で使われています。
通常のお部屋と異なりメゾネットタイプのお部屋は、縦に空間が広いことや、特にアパートでは隣室との境界部(天井、壁、床)が少なくなることから、二階建ての戸建感覚で生活ができます。
アパートによっては全室がメゾネットタイプのものも存在します。マンションでは角部屋や最上階とその下の階など一部のお部屋だけをメゾネットタイプにする場合がほとんどです。
メゾネットタイプのお部屋の間取りは、玄関のある下階にLDKと水回り、上階に個室(1〜2個)があるという形が多く見られます。
そのほか、以下のように間取りには様々なバリエーションがあります。
- 玄関だけが下階にある
- 上階に水回りがある
- 各階に個室がある
- 階段の位置がリビングの中/外
- 吹き抜けがある
- 各階にバルコニーがある
下階のリビングに階段や吹き抜けがあると、縦に空間が広がり開放感のあるお部屋になります。
階段が直階段や回り階段ではなく「螺旋階段」のようなデザイン性の高いものが使われている物件もあります。
メゾネットタイプと似たような住戸に「ロフト」付きのお部屋があります。
ロフトは階段や梯子を使って移動できる室内の上部にある空間です。2帖ほどの荷物が置ける程度のものもあれば、10帖を超える広さのものもあります。
室内が上下に分かれている点はメゾネットと共通しています。
しかしロフトには以下のような制限があり、メゾネットとは区別されます。
- 大きな窓や開き窓の設置ができない
- エアコンを設置できない
- 天井の高さが1.4m以下
- 床面積が下の階の1/2未満
このため、建築基準法ではメゾネットタイプの上階は「居室」に分類されますが、ロフト部分は居室ではなく「小屋裏物置等」に分類されます。
人が継続して住めるように作られている居室とは異なり、ロフトは室内の上部にある物置(収納)という扱いです。間取り図によっては「収納」「納戸」と表記されることもあります。
「テラスハウス」(または「タウンハウス」)は全室がメゾネットタイプのアパートと形状がよく似ています。
どちらも二階建ての建物で各住戸が1階と2階の縦2層で構成されています。複数の二階建ての戸建を壁どうしで繋げて並べたような外観をしています。
2つの建物の違いは「玄関を出た先が直接外部(道路など)とつながっているか/いないか」です。
- 直接つながっている → テラスハウス
- 直接つながっていない → アパート
テラスハウスは室内から玄関を通って直接外に出られます。
一方で玄関の外は共用廊下があり直接外に出られない場合はアパートとなります。
このことから建築基準法ではアパートを「共同住宅」に分類しているのに対し、テラスハウスを「長屋」に分類しているという違いもあります。
このようにそれぞれの建物で違いはありますが、賃貸物件の検索サイトによってはテラスハウスをアパートの「メゾネット」と表示していることがあります。
そのほか二階建ての戸建てについても「メゾネット」と表示する検索サイトもあるなど、それぞれの使い分けは曖昧になっています。