まずは、賃貸物件における共益費の意味や用途(使い道)についてご紹介します。
『共益費』とは、共用スペースの状態を保つための費用です。共有スペースとは、その物件に住む全ての人々が使う場所のことで、
などがあります。住民が自由に使える庭や会議スペースなども含まれます。つまり、あなたの部屋(専用スペース)以外のすべての場所と考えてください。
たとえば、夜にマンションに帰ってきたとき、エントランスや廊下には電気がつき、いつも明るい状態になっています。オートロックがついている物件は、不審者や勧誘者の立ち入りを防ぐことができます。エレベーターの調子が悪いと、すぐに業者が修理してくれます。
このように、共用スペースを良好な状態に保つための費用を『共益費』といい、その物件の住民が少しずつその費用を出し合っているのです。したがって、共用スペースの施設やサービスがたくさんある物件ほど、『共益費』は高くなります。
賃貸物件における共益費の使い道には、法的な取り決めがありません。何にいくら費用をかけるかは貸主が決めることができ、物件によっても異なります。
ある不動産会社が賃貸管理業者を対象におこなったアンケートによると、共益費の用途に多い項目は、共用スペースの
- 電気料金(78%)
- 照明の保守・交換料金(69%)
- 水道料金(64%)
- ゴミ置き場の清掃費用(57%)
- その他の場所の清掃費用(56%
などでした。その他、物件によっては庭の手入れや砂場の管理・町内会費などが含まれるという意見もありました。
共益費は用途をはっきりさせる必要がないため、借主側から見ると「わかりにくい」「不要な項目がある」などの不満が出やすい費用です。何か気になることがあれば、不動産会社や貸主に聞いてみるとよいでしょう。
物件によっては、共益費の代わりに『管理費』と記載されていることがあります。この2つには、実ははっきりとした違いはありません。
あえて区別するなら、管理費は物件を『管理する』ためのもので、管理人の人件費や共用スペースの固定資産税などが含まれます。共益費よりも少し広い意味を持つと考えましょう。
ただし、どちらも共用スペースに使われる費用で、使い道に法的な決まりがありません。そのため、同じように扱うことが多く『共益費=管理費』と考えればよいでしょう。
共益費と管理費の両方を支払うことはあまりなく、どちらかのみを支払います。(物件によって異なります。詳細は物件ごとに確認してください。)