不動産コラム

賃貸の共益費とは?何に使われていて、管理費との違いは?

2022/07/22

賃貸物件を選ぶ際の大きな決め手となる「家賃」。しかし、物件のなかには家賃だけでなく、それに加えて「共益費」があることもあります。

共益費という言葉は聞いたことがあっても、実際にはどういう費用なのか、何のために使われているのか、疑問に思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、そんな「共益費」について、どんな費用で何に使われるのか、そして区別がまぎらわしい「管理費」との違いなどを詳しく解説していきたいと思います。この記事を読んで共益費に関するさまざまな疑問を解決し、すっきりしたうえで物件を探しましょう!

共益費とは?

共益費について、不動産公正取引協議会連合会の規約には、「借家人が共同して使用又は利用する設備又は施設の運営及び維持に関する費用」と記載されています。簡単にいうと、賃貸の集合住宅などで、住人が使う共有場所・設備の運営や管理のための費用です。

共益費は何に使われている?

共益費は、明確な使い道が定められておらず、さまざまな用途に使われています。

具体的には、

  • 共用部分の電気代、水道代
  • ゴミ置き場の清掃代
  • 共用灯の保守点検、交換台
  • エレベーターの電気代、定期検査代
  • そのほか共有部分の定期清掃代

など、多岐にわたります。

共用部分の廊下が薄暗かったり、ゴミ置き場にゴミが散乱していたりすれば、当然住みにくさを感じるでしょう。共益費は、集合住宅に暮らす住人が心地よく生活するために欠かせない費用と言えます。

今住んでいる物件や、これから住みたいと思っている物件の共益費が、どのような使い方をされているのか気になる方は、管理会社に聞いてみても良いでしょう。

共益費の支払い

賃貸物件には、

①家賃とは別に共益費を毎月支払う物件
②共益費の記載がなくても家賃に含まれている物件

の2種類があります。

共益費は家賃と別表示にしなければいけない、という決まりはないため、物件ごとに表示に差があります。

特に②の場合、「共益費」と明記されていないために、物件の大家さんが負担しているものと思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、共益費が家賃に含まれていることには変わりません。

アパートやマンションといった集合住宅に住む以上、維持・管理のための費用である共益費は入居者である住人が分担して支払います。

共益費の相場は?

共益費の相場は、一般的に家賃の5~10%程度で設定されていることが多いです。しかし、物件の共有部分の管理にかかる費用を、住戸の面積に応じて分担するため、共用部分の規模や内容によって共益費の金額は変わってきます。

また、オートロックやそのほかの防犯対策がしっかりしている物件は維持費がかかるため、共益費が高くなります。また、新築物件も共益費が高くなる傾向にあります。

共益費が相場よりも低いと感じたら、共用部分がきちんと管理されているか確認しましょう。また、反対に共益費が相場よりも高いと感じたら、その分設備がしっかりしているかチェックすることも大切です。

共益費と管理費の違いは?

賃貸物件を探しているときに、共益費と同じようにしばしば目にするのが「管理費」ではないでしょうか。名称は違いますが、この2つはほとんど同じ意味合いで使われています。

明確に共益費と管理費を区別するのであれば、共益費は共用部分の掃除などの管理に充てられ、管理費は管理する人の人件費や共用部分の固定資産税に充てられることが多いです。

管理費の方が、共益費よりも広い範囲を指しているニュアンスととらえることもできます。あくまで表記の違いと考え、共益費か管理費のいずれかを支払えば問題ありません。

共益費に消費税はかかる?

共益費は非課税となり、消費税はかかりません。国税庁は、「住宅を共同で利用する上で居住者が共通に使用すると認められる部分の費用を居住者に応分に負担させる性格のものについては、共益費、管理費等その名称にかかわらず非課税」と定義しています。

なお、物件を事務所として借りている場合には、共益費は課税対象となるので、注意が必要です。

共益費が別の物件と、共益費込みの物件の違い

先ほど、共益費は家賃と別に徴収される場合と、あらかじめ家賃に含まれている場合があるとご紹介しました。それでは、それぞれにどのような違いが生じるのでしょうか?

違いは、大きくわけて次の2点です。

  • 家賃とは別に共益費を支払う物件の方が初期費用がお得になる
  • 共益費が家賃に含まれている物件は家賃計算がしやすい

以下、詳しく説明していきます。

家賃とは別に共益費を支払う物件の方が初期費用がお得になる

まず1つめは、家賃とは別に共益費を支払う物件の方が初期費用の面ではお得、ということです。

新しく賃貸物件を契約する際には、敷金や礼金を支払うことが多いです。敷金や礼金は家賃をベースに計算されるため、家賃に共益費が含まれているとその分初期費用も高くなってしまいます。

また、仲介手数料や更新料なども家賃に基づいて設定されるため、これらの負担も減らすことができます。

ちなみに、共益費が家賃に含まれていない物件は、物件を貸す大家さんの立場からしてもメリットがあります。

それは、初期費用が抑えられることで人々の注目を引きやすくなり、結果として入居者が決まりやすいということ。

また、例えば以下のような2つの物件があったとしましょう。

①家賃65,000円+共益費5,000円の物件
②家賃70,000円の物件

この2つの物件は、入居者が支払う総額は70,000円で同じです。しかし、不動産検索サイトで「6万円台の家賃」で検索した場合、ヒットするのは①の物件のみです。そのため、総額は同じでも、大家さんも割安感を出して物件を掲載できるのです。

共益費が家賃に含まれている物件は家賃計算がしやすい

2つめは、共益費が家賃に含まれている物件は家賃計算がしやすいということです。家賃とは別に共益費や管理費を別に計算する必要がないため、毎月の家賃の計算がシンプルになります。

共益費のことを忘れてしまい、支払額が足りなかったというトラブルも避けることができます。

共益費についての疑問Q&A

最後に、共益費に関するよくある疑問についてまとめました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

共益費の値下げ交渉は可能?

共益費について、値下げ交渉をすることはできます。共用部分の維持・管理が行き届いていないと感じた場合には、すぐに引っ越しを検討するのではなく、値下げ交渉を考えてみましょう。

共益費は前払いできる?

共益費は、通常家賃と一緒に毎月支払います。ただ、管理会社や大家さんから了承をもらった場合には、家賃と合わせて半年分、一年分などを前払いすることも不可能ではありません。もし共益費の前払いを希望する場合は、一度管理会社に問い合わせてみましょう。

駐車場代は共益費に含まれる?

たしかに駐車場も共有の設備ではありますが、駐車場代は共益費には含まれません。駐車場と物件は別契約になりますので、利用を希望する場合は、事前に確認してくださいね。

まとめ:家賃を比べるときは、共益費にも注目を

共益費について、その使い道や管理費との違いなどをご理解いただけたでしょうか?物件を探しているときは、どうしても家賃にばかり目が行ってしまいますが、共益費や管理費も含め、月々の総額で考えることがとても大切です。

お部屋探しをする際には、ぜひ共益費のことも頭に入れて、自分にぴったりの物件を見つけてくださいね!