先ほど、共益費は家賃と別に徴収される場合と、あらかじめ家賃に含まれている場合があるとご紹介しました。それでは、それぞれにどのような違いが生じるのでしょうか?
違いは、大きくわけて次の2点です。
- 家賃とは別に共益費を支払う物件の方が初期費用がお得になる
- 共益費が家賃に含まれている物件は家賃計算がしやすい
以下、詳しく説明していきます。
まず1つめは、家賃とは別に共益費を支払う物件の方が初期費用の面ではお得、ということです。
新しく賃貸物件を契約する際には、敷金や礼金を支払うことが多いです。敷金や礼金は家賃をベースに計算されるため、家賃に共益費が含まれているとその分初期費用も高くなってしまいます。
また、仲介手数料や更新料なども家賃に基づいて設定されるため、これらの負担も減らすことができます。
ちなみに、共益費が家賃に含まれていない物件は、物件を貸す大家さんの立場からしてもメリットがあります。
それは、初期費用が抑えられることで人々の注目を引きやすくなり、結果として入居者が決まりやすいということ。
また、例えば以下のような2つの物件があったとしましょう。
①家賃65,000円+共益費5,000円の物件
②家賃70,000円の物件
この2つの物件は、入居者が支払う総額は70,000円で同じです。しかし、不動産検索サイトで「6万円台の家賃」で検索した場合、ヒットするのは①の物件のみです。そのため、総額は同じでも、大家さんも割安感を出して物件を掲載できるのです。
2つめは、共益費が家賃に含まれている物件は家賃計算がしやすいということです。家賃とは別に共益費や管理費を別に計算する必要がないため、毎月の家賃の計算がシンプルになります。
共益費のことを忘れてしまい、支払額が足りなかったというトラブルも避けることができます。