不動産コラム

引っ越しをするとき、冷蔵庫の電源は何時間前に切るのがいい?

2022/08/05

物件選びや契約が無事に終わり、いざ引っ越しとなったとき、引っ越し業者ではなく自分たちで準備が必要なことがあります。そのなかの一つに、「冷蔵庫の電源を事前に切っておく」ということが挙げられます。

冷蔵庫は大きく重さもあることから取り扱いが難しいですが、電源を切っておかないと故障につながるなど、不都合も生じてしまいます。冷蔵庫については「引っ越しの何時間前に電源を切ったらいいの?」「中身はどうしたらいい?」など、さまざまな疑問があるのではないでしょうか。

この記事では、スムーズに引っ越し当日を迎えられるように、冷蔵庫にどんな事前準備が必要なのかをご紹介します。

冷蔵庫の電源はなぜ事前に切らないといけない?

そもそも、どうして引っ越しをするときに冷蔵庫の電源を事前に切っておかなければいけないのでしょうか?

その理由は、冷蔵庫が電気で水を冷やして、冷気を送って内部を冷却していることに関係があります。この冷気を庫内全体に行きわたらせるため、冷蔵庫には管があり、管には霜が付いていることがほとんどです。

冷蔵庫の電源を切って電力が断たれることで、管に付いていた霜が溶けてしまい、冷蔵庫内に水が溜まります。水が溜まると回りを濡らしてしまったり、冷蔵庫自体が故障してしまったりします。

そのため、引っ越しをするときには電源を切って霜を溶かし、水を抜いておく必要があるのです。

引っ越し前にするべき冷蔵庫の準備

冷蔵庫は、引っ越し前に、以下の3つの事前準備をしなくてはいけません。

  • 冷蔵庫の中身をカラにする
  • 電源を切る
  • 霜取り、水抜きをする

以下、それぞれ詳しく説明していきます。

冷蔵庫の中身をカラにする

引っ越しの1~2週間ほど前から、冷蔵庫内の中身を確認します。事前にある程度食事のメニューを考えておき、計画的に食品を消費していくことが大切です。引っ越し3~5日ほど前になったら、新しく食品を買うのは控え、残っているものを消費するようにしましょう。

特に家族の人数が多い場合は、冷蔵庫も大きく食品もたくさん入っていると思います。食品を大量に余らせることのないように、効率よく減らしていきましょう。

どうしても食品が残りそうなときは、クーラーボックスや発泡スチロールなどを事前に用意しておくと便利です。

引っ越し業者は生鮮食品を運んでくれない
冷蔵庫の中身をカラにしなければいけないのは、引っ越しのときに冷蔵庫は電源を切るため常温となり、食品が腐ってしまうからです。
引っ越し業者は、どれだけ新居と旧居が近くても、生鮮食品は運んでくれません。運搬トラックのなかが大変高温になることが理由です。
また、しょうゆやソースなど、もともと常温で売られている調味料も、引っ越し当日までに使いきれなかった場合は冷蔵庫から出して新居に持っていきましょう。冷蔵庫に入れたままにしておくと、運搬に使うトラックのなかで中身が動いてしまい、冷蔵庫を傷つけてしまう可能性があります。

電源を切る

冷蔵庫の電源は、運搬する12~16時間前くらいに切るのが問題ないといわれています。引っ越しが朝であれば、前日の夕方くらいまでに切っておくのが安心でしょう。なお、冷蔵庫のメーカーや引っ越し業者によってはそれより早く電源を切ることをすすめている場合もありますので、心配であれば確認するのもおすすめです。

霜取り、水抜きをする

「霜取り」も「水抜き」も、聞きなれない言葉かもしれません。引っ越しにおいて冷蔵庫を安全に運搬するためにとても大切な作業なので、忘れずに行うようにしましょう。

霜取りは電源を切るだけでOK
冷蔵庫や冷凍庫の内部には、霜が付いていることがあります。この霜を溶かす作業が「霜取り」です。
霜取りは、冷蔵庫の電源を切るだけで簡単にできます。電源を切り、コンセントを抜いたら、冷蔵庫のとびらを開けておきます。だんだん霜が溶けていきますので、冷蔵庫の周辺には雑巾や大きめのタオルを敷いておきましょう。
また、冷凍庫の製氷皿に氷が残っている場合は、流しに捨てるようにします。
なお、最近の冷蔵庫は霜が付きにくい設定になっていることも多く、霜取りが不要な場合もあります。取り扱い説明書に霜取りが必要かどうか書いてありますので、しっかり確認しましょう。もし取り扱い説明書を失くしてしまった場合は、電源を切っておくほうが無難です。

水抜きは蒸発皿の水を捨てればOK
冷蔵庫内の霜が溶けると、蒸発皿もしくは水受けトレーと呼ばれる部分に水が溜まっていきます。半日(10~15時ほどを目安にしましょう)経ったら、溜まった水を捨てます。これで水抜きは完了です。
一般的に、蒸発皿は本体の下か背面に付いていることが多いです。本体の下に付いている場合、ふたがないので、水をこぼさないよう注意して引き出しましょう。背面に付いている場合は、本体を動かして裏が見えるようにし、工具を使って取り出します。
電源を切り、霜取りと水抜きが終わったあとは、冷蔵庫の内部に水分が残っていないことを確認しましょう。菌が繁殖しやすい状態ですので、水分が残っている場合は、しっかり拭き取ってください。

冷蔵庫を自分で運ぶときの注意点

引っ越し業者に依頼する場合は問題ありませんが、もし自分たちで冷蔵庫を運搬するときには、以下のことに注意しましょう。

  • 冷蔵庫は縦に積む
  • 必ず固定し、運搬中に倒れないようにする
  • 扉が開かないようにテープで固定する
  • 電気コードはまとめて冷蔵庫裏にテープで固定する
  • 卵ケースや製氷皿などの冷蔵庫内の小物は固定するか取り出して別に運ぶ

これらに気を付けなかった場合、運んでいる最中に冷蔵庫を破損させる危険があります。

冷蔵庫を部屋に出し入れするときには横にしても大丈夫ですが、トラックに積むときには縦に起きましょう。これは、運搬中の車の揺れでコンプレッサー内のオイルが冷却装置に流れ混んでしまい、故障の原因となるからです。

また、冷蔵庫の構造は、上よりも下が重くなっています。階段などを通るときには、特に力がある方が下を持つようにしましょう。

引っ越し後の冷蔵庫は?

引っ越しをしたあと、すぐにでも冷蔵庫の電源を入れたくなると思います。しかし、運搬時の傾きや揺れで冷蔵庫内の冷却液などが不安定になっており、すぐに電源を入れると故障する可能性もあります。

引っ越し後すぐに電源を入れるのではなく、目安として設置後30分~1時間あけてから電源を入れるのがおすすめです。メーカーによって時間に差がありますので、前もって取り扱い説明書を読んでおきましょう。

また、冷蔵庫は電源を入れてもすぐには十分に冷えません。メーカーや大きさによって異なりますが、冬場であれば2~3時間、夏場であれば10時間程度かかるといわれていますので、冷蔵庫内がしっかり冷えてから食品を入れるようにしましょう。

なお、効率よく冷やすためにも、できるだけ冷蔵庫の扉の開け閉めは控えた方が良いです。

まとめ:引っ越し時の冷蔵庫は、余裕を持って準備を

引っ越しはただでさえ荷造りやさまざまな手続きでやることがたくさんあります。直前まで使う冷蔵庫も、霜取りや水抜きなどをきちんと行わないと、冷蔵庫を傷つけてしまったり、故障の原因になったりします。事前にしておくべきことを確認し、忘れずに対応しましょう。

また、冷蔵庫内の食品も余裕を持って確認し、計画的に消費していくことで、直前に捨ててしまうのを避けることができます。

ぜひ、この記事でご紹介した内容を参考に、効率よく準備をすすめていきましょう!

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