不動産コラム

学生の一人暮らしの世帯主には誰がなる?世帯主の役割や変更の方法を解説

2022/08/12

  • 世帯主って誰にするべき?
  • 学生でも一人暮らしだと世帯主?
  • 世帯主はどうやって変更する?

「世帯主」という言葉は聞いたことがあっても「詳しくはよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。

「世帯主って働くお父さんがなるんでしょ?」と思うかもしれませんが、実は世帯主には誰でもなることができます。

この記事では世帯主に関する基礎知識と役割、変更の仕方などについて解説します。

引っ越しをすると世帯主についての手続きが必要なこともあるので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

【基礎知識】世帯主って何?

世帯主とはそもそもどういうものでしょうか。

まずは世帯主に関する基礎知識を解説します。

世帯主とは世帯を代表する世帯員

「世帯主」とは世帯員のうち、住民票に記載される世帯の代表者のことです。

法律では世帯主についての明確な規定はなく、15歳以上なら誰でも世帯主になることができます。

ただし、一般的には「主として生計を維持する世帯員が世帯主」となるのが適していると考えられています。

世帯とは住居と生計が一緒の家族

「世帯」とは基本的には住まいと生計を共にする家族や親族のことです。

世帯主も含めて世帯の構成員のことを「世帯員」と呼びます。

ただし、親族以外の者であっても、実際に同一の住居で起居し生計を同じくしていれば同一の世帯とすることができます。

  • 学生などの下宿
  • 友人どうしのルームシェア
  • カップルの同棲
  • 事実婚

カップルで同棲したり、シェアハウスなどに住む場合も同一の世帯とすることができます。

一つの住居に複数の世帯主もある

同じ住居で共同生活していても、生計を別にしている場合は別世帯として扱われ、世帯主も複数存在する事になります。

これは、たとえば親世帯と子世帯が同じ家に住む二世帯住宅などです。

また、夫婦でそれぞれ生計が独立していれば、それぞれが世帯主となることも可能です。

ただし自治体によっては認めていないこともあります。

一人暮らしの学生も世帯主になれる

単身赴任や学生の一人暮らしでも、独立した住居で独立した生計を営んでいれば、一つの世帯(単独世帯)として扱われ、世帯主となることができます。

ただし、これは一人暮らしをしている住所に住民票を移している場合です。

住民票を移していない場合は実家から独立した世帯とはみなされません。

なお短期間の単身赴任や、学生で卒業後に実家に帰る予定などのときは、住民票を移さなくてもよいので、必ずしも世帯主になる必要はありません。

世帯主はどんなときに必要?

世帯主はどのようなときに必要になるのでしょうか。

世帯主の役割と必要になるシーンを解説します。

世帯主の役割

世帯主の主な役割には次の2種類があります。

  • 行政サービスなどの通知の受け取り・申請と受給の手続き
  • 国民健康保険料(税)と国民年金保険料の納付義務

世帯主は世帯を対象とした行政からの通知の受け取りや、行政サービスを受ける手続きを行う窓口になります。

行政からの通知は、たとえば給付金に関するものや選挙の投票通知などで、世帯主宛に送付されます。

また、国民年金保険料の納付および国民健康保険料の納付の義務が世帯主に生じます。

世帯主が会社員で社会保険に加入していても、世帯員に国民健康保険被保険者がいれば世帯は国民健康保険料を納付することになります。

書類への記載

公的な書類の中には世帯主を記入するものがあります。

  • 年末調整の書類(給与所得者の扶養控除等(異動)申告書)
  • 確定申告書(各申告書の第一表)

年末調整時や確定申告書では扶養控除の申告について、世帯主との続柄を書く必要が生じます。

会社から支給される手当の対象

会社員の場合、会社から給料以外に家族手当(扶養手当)、住宅手当などが支給されることがあります。

この諸手当の支給の対象は世帯主とされていることがほとんどです。

世帯主の変更の仕方と必要なもの

世帯主は「世帯主変更届」を提出していつでも変更ができます。

ただし、次の場合は決められた期日内に世帯主の変更の手続きが必要です。

世帯主の変更が必要なとき
  • 代表者が変わったとき
  • 世帯主が亡くなったとき
  • 世帯合併または世帯分離をしたとき

世帯主が亡くなって残りの世帯員が一人になったときは、世帯主変更の手続きは必要ありません。自動的に残りの世帯員が世帯主となるためです。

世帯主の変更の仕方

世帯主の変更の仕方は次のようになります。

  • 期間…変更があった日から14日以内(次の日が1日目)
  • 場所…住所のある市区町村の役所または支所の窓口
  • 届出者…新しく世帯主となる人、または代理人(委任状が必要)
  • 必要書類…世帯主変更届(住民異動届)

届出の期間について、変更があった次の日を1日目として14日以内となります。

たとえば7月1日に変更があった場合→7月15日までに届け出ることになります。

正当理由がなく届出をしないと「50,000円以下の過料」が科せられることがあります。

世帯主変更届(住民異動届)には以下の内容を記入します。

世帯主変更届(住民異動届)の記入事項
  • 届出人氏名(捺印)
  • 住所(○番地(○番)○号、建物名・部屋番号)
  • 旧世帯主の氏名
  • 新整体主の氏名
  • 世帯員全員の氏名、生年月日、世帯主との続柄

世帯主のときに必要になるもの

世帯主を変更するときは世帯主変更届のほかに次のものが必要になります。

  • 本人確認書類
  • 印鑑(認印)
  • 国民健康保険証
  • 委任状(代理人の場合)

本人確認書類は、マイナンバーカード、運転免許証、国民健康保険証、パスポートなどが利用できます。

あわせて手続きが必要なもの

世帯主を変更すると次の項目に関する手続きも必要になります。

該当するものがあればあわせて手続きを行いましょう。

あわせて手続きが必要なもの
  • 国民健康保険
  • 後期高齢者医療保険
  • 介護保険
  • 子ども医療(子育て医療)
  • 児童手当の受給

まとめ:状況に合った適切な世帯主を

世帯主は納税の義務を負ったり、選挙の投票通知や給付金などの通知先となったりします。

基本的には誰でもなることができますが、会社から出る家族手当などは世帯主が対象となることが多いなど注意が必要な点もあります。

「主として生計を維持する者」という考え方をもとにそれぞれの世帯に合った人を世帯主に選びましょう。

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