CATV付き賃貸物件とは、ケーブルテレビを視聴できる環境が整っている物件のことです。この章ではまず、『CATV』や『CATV付き』の意味についてご紹介します。

CATV（Common Antenna TeleVision）とは、ケーブルテレビを意味します。ケーブルテレビとは、各地にあるケーブルテレビ局が大型アンテナで放送を受信し、ケーブルを使って各戸にデータ配信するサービスのことです。

CATVを利用するには、アンテナではなく専用のデジタルチューナーが必要です。チューナーをレンタル（または購入）すれば、地上デジタル放送はもちろん、BS・CSデジタル放送も楽しめるという特徴があります。

CATV会社では、この配線を利用して

• インターネット通信
• 固定電話

などのサービスも展開しています。

【注意】

利用できるサービスは会社・契約により異なります。また、それぞれに利用料がかかります。

『CATV付き』は『CATV対応』ともいい、ケーブルテレビを利用できる環境が整っていることを意味します。つまり、ケーブルがすでに部屋まで引かれており、自分で工事をする必要がない賃貸物件という意味です。

ただし、CATVの各サービスを実際に利用するには、契約が必要です。CATV付きの賃貸物件に住んだからといって、手続きなし＆無料でケーブルテレビやインターネットを使えるわけではありませんので覚えておきましょう。

CATVの契約方法は、物件によって

• 賃貸契約と一緒に契約する
• 入居後に各自で契約する

など、さまざまなケースがあります。

CATVに使う専用チューナーも、契約後にレンタル・購入する場合や、各戸に設置済みの場合など、物件によりさまざまです。詳細は、各物件の契約書を確認しましょう。

CATV付き賃貸物件のメリットを、4つご紹介します。

CATVを利用する最大のメリットは、いつでもきれいな画質でテレビを楽しめることです。CATVは、 ケーブルを使って配信する有線放送です。電波を利用しないため、

• 立地（高いビルが多い・山間部）
• 天候（積雪・台風）

などの悪影響を受けません。そのため、どのような環境でも安定した視聴環境を実現できます。

CATVでは、地上波放送はもちろん、

• BS・CS放送
• オリジナル番組
• エリア限定（ローカル）番組
• 専門チャンネル

などが楽しめます。各地域のケーブルテレビ局が制作した地元情報がつまった番組や、アニメ・ドラマに特化したチャンネルなど、CATVならではの面白さがあります。

また、最近では専用チューナーの性能がアップし、チューナー自体に録画機能やYouTube・Netflixなどが見られる機能がそなわったものもあります。YouTube・Netflixを見るにはネット環境や利用料金が必要ですが、インターネット対応テレビを購入する必要がないというメリットがあります。

CATVの会社では、インターネットや固定電話のサービスも展開しています。同じ会社でこれらを一括契約すると、セット割引が適用されて安くなるというメリットがあります。

他にも、

• スマートフォン
• 電気
• ガス

などをセットで安く利用できる場合があります。（CATVの会社により異なります。）

その他、『期間限定』・『ネット申し込み限定』など多くのキャンペーンが随時開催されています。うまく利用すれば、月額料金が〇ヶ月無料・〇〇プレゼントなどのおトクな特典が受けられます。

CATV付き物件では、CATVを使える環境がすでに整っています。そのため、入居後に自分で工事をおこなう必要はありません。

自分で設置工事をおこなう場合は、どんな回線を利用するにせよ貸主や管理会社に許可を取る必要があります。その後、契約・工事立ち会いなどの作業も必要です。また、設置工事費用も自分で負担しなければいけません。（工事費用は、回線の種類や建物の構造・工事方法により異なります。）

設置工事の手間や費用を考えると、あらかじめ『CATV付き』物件を選ぶメリットがわかるはずです。

次に、CATV付き賃貸物件のデメリットを、3つご紹介します。

CATVを利用するには、利用料金（月定額制）の支払いが必要です。月額料金は500円〜600円/月が一般的ですが、物件やプランにより異なります。

アンテナがついていない賃貸物件では、地上波放送（無料番組）を見るときもCATVの回線を利用しなければテレビはうつりません。そのため、番組チャンネルの有料・無料にかかわらず、テレビを見るためにはCATVに加入する必要があります。

また、賃貸契約時にCATVへの加入が必須になっている物件もあります。その場合は、

• テレビを見ない
• テレビを持ち込まない

などの条件にかかわらず、CATVの料金を支払う必要があります。どうしても支払いたくない方は、CATV付き物件を選ばないようにしましょう。

CATV付き物件でも、『利用料無料』と記載されていたり、月額料金に『CATV代』という項目がなかったりする物件もあります。その場合は、CATV代がすでに家賃に含まれていると考えましょう。

CATV付き物件でインターネットを利用する場合、通信速度が遅いと感じることがあります。その理由は、主に3つあります。

• テレビ放送用の配線を利用している
• 他の部屋と回線を共有している
• 速度が遅いプランを利用している

CATVのインターネット通信は、テレビ用の配線を利用します。そのため、インターネット通信のために作られた光回線よりも通信速度が遅いという特徴があります。

また、多くのCATV付き物件では、ほかの部屋と回線を共有しています。そのため、他の住民が一斉にインターネットを利用する時間帯には、使用量が増えて通信速度が遅くなります。

大家さん（貸主）が通信速度の遅い（料金が安い）プランに申し込んでいる場合もあります。その場合は時間帯に関係なく、契約以上の速度は出ません。

YouTubeなどの動画を見る程度なら気になりませんが、

• オンラインゲームをする
• Zoomなどでテレワークをする
• 動画編集をする

などの方は、ストレスに感じる可能性があります。

CATV付き賃貸物件では、大家さん（貸主）がすでにCATV会社と契約しており、

• 必要ないサービスが含まれている
• 好きなプランに変更できない

ことがあります。

自分に適したプランがないことで、新たに工事をすることになれば、CATV付き賃貸物件を選んだ意味がありません。どのようなプランを選べるかは物件によりちがいますので、各物件で確認しましょう。

『CATV付き賃貸物件』を選ぶときにチェックしたい3つのポイントをご紹介します。契約前に必ず確認するようにしましょう。

CATVの契約方法では、賃貸契約時に一緒に加入する場合と、入居後に自分で加入する場合があります。賃貸契約書にCATV加入が必須と記載されている場合は、契約後にCATVの支払いを拒否することはできませんので注意しましょう。

契約内容では、自分に適したプランがあるかをチェックしましょう。テレビでは有料チャンネルが多く見られるプランほど、インターネットでは通信速度が速いプランほど料金が高くなります。

セット割を利用すると割安になりますが、インターネットを使わない・TVを見ない・固定電話はいらないという方にとっては、むしろ割高になることもありますので注意しましょう。

最後に料金・支払い方法です。CATVの利用料は、家賃と一緒に毎月大家さん（貸主）に支払うことが一般的です。毎月必要な費用なので、利用料金とサービス内容が見合っているのかをチェックしておきましょう。

CATV付き賃貸物件とは、ケーブルテレビを視聴できる環境がすでに整っている物件のことです。

• 視聴環境が安定する
• チャンネル数が多い
• セット割引でおトク
• 設置工事がいらない

などのメリットがあるため、インターネットや固定電話などさまざまなサービスを手間なく利用したい方におすすめの物件といえます。

ただし、

• TVを見ない
• ネットや固定電話はいらない
• ネットの速度にこだわりがある

などの方は、適したプランがなかったり、むしろ割高に感じたりすることもあります。

CATV付き賃貸物件を探すときは、CATVの契約内容や料金などをしっかりと確認し、納得の上で契約するようにしましょう。