不動産コラム

賃貸でも防音対策できる!騒音別対策や防音グッズ・物件の選び方をご紹介

2023/04/06

賃貸物件などの集合住宅トラブルで常に上位にランクインする『騒音トラブル』。悩んでいても、

「今さら引っ越せない」

「賃貸だから防音工事ができない」

「隣人に注意するのは気が引ける」

など、なかなか解決策が見つからない方も多いはずです。


そんな悩みを持つ方のために、賃貸でも簡単にできる防音対策をご紹介します。おすすめ防音グッズのほか、グッズなしで簡単にできる対策や、騒音に悩まないための物件選びのコツもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

騒音の種類と防音対策について

防音対策をするときは、自分が気になる騒音の種類を確認することから始めましょう。騒音の種類によって、適切な防音対策が異なるためです。


音には、空気の振動で伝わる『空気伝搬音』と、床や壁などの振動で伝わる『固体伝搬音』があります。それぞれの具体例や効果的な防音対策は次のとおりです。

■ 騒音の具体例と効果的な対策
音の種類 騒音の具体例 効果的な防音対策
空気伝搬音 テレビの音 住民の話し声 テレビ・楽器の音 ペットの鳴き声 外部からの騒音 障害物で音を遮断・吸収する
固体伝搬音 足音 椅子を引く音 洗濯機・冷蔵庫・掃除機・室外機の振動音 振動が伝わるのを防ぐ

2種類のうち、防音対策がより難しいのは固体伝搬音です。距離があっても音が小さくなりにくく、厚い壁でも伝わる特徴があります。

賃貸でもできる!防音対策グッズ5選

賃貸物件でも簡単に使えるおすすめ防音グッズを、ドア・壁・天井・窓・床などの場所別にご紹介します。騒音の種類を考えながら、適したグッズを利用しましょう。

1.【ドア】防音テープ

2.【壁】防音パネル(シート)

3.【窓】防音カーテン

4.【床】防音(防振)マット

1.【ドア】防音テープ

防音テープは、ドアや窓の隙間から音が漏れているときに利用すべきグッズです。ドアや窓の隙間を塞ぐため、保温・防虫・防水にも効果があります。高い防音効果がほしい場合は、モヘアやポリエチレンよりもゴムの素材を選びましょう。隙間をしっかりとふさげる厚さであることも大切です。


ドアや建具に直接テープを貼ると、剥がすときに接着剤が残ったり、ドア材が剥がれたりします。賃貸物件の場合は、剥がしやすいマスキングテープなどを貼ってから防音テープを貼るようにしましょう。

2.【壁・天井】防音パネル(シート)

上階からの生活音が気になる方、壁が薄い物件に住んでいる方におすすめのグッズです(天井に設置する場合は、落下に注意が必要です)。最近では剥がせる防音シートや、壁に傷をつけずに設置できる防音パネルなど、賃貸物件でもDIY感覚で取り付けられる商品が増えています。


室内の音を反響させたくない場合は、吸音材を使った商品がおすすめです。費用をおさえたい場合は、隣の住戸に面する壁やピアノの後ろなど限られた場所に設置するのがよいでしょう。

3.【窓】防音カーテン

窓からの音が気になる方は、防音カーテンがおすすめです。室内外からの空気伝搬音を遮ることができます。防音カーテンは機密性が高く、重量のある生地が多いため、遮熱や遮光にも効果的です。


取り外しが簡単なアイテムのため、賃貸物件でも手軽に取り入れられます。

4.【床】防音(防振)マット

足音や椅子を引く音などの固体伝搬音を防ぐためのグッズです。カーペットやラグを購入するときに『遮音等級』をチェックし、2級以上の商品を選ぶと防音効果が期待できます。


子どもの遊び場には、クッション性のあるジョイントマットもおすすめです。ケガの防止や床の傷防止ができるほか、汚れた場所だけを交換できるメリットがあります。


洗濯機や室外機などの振動音が気になる場合は、機器の下にゴム素材の防振マットをひくのがよいでしょう。

グッズ不要!簡単にできる防音対策4つ

「お金をかけずに防音対策したい」という方のために、グッズを使わずにできる防音対策をご紹介します。普段の生活で、少し工夫をすれば騒音トラブルを避けられますので試してみましょう。

1.家電の使用時間に配慮する

2.生活音に気をつける

3.家具の配置を工夫する

4.ペットをしつける

1.家電の使用時間に配慮する

洗濯機・掃除機など振動や稼働音が大きい家電は、早朝や深夜の利用をさけて朝8時〜夜20時の間に使いましょう。賃貸物件によっては、利用時間帯が契約事項で定められている場合もあります。


どうしても深夜に掃除をする必要があるときは、掃除機以外で掃き掃除をしたり、短時間で終わらせたりという工夫が必要です。

2.生活音に気をつける

騒音トラブルを避けるためには、日常的な生活音にも注意が必要です。賃貸物件の場合は特に近所との距離が近いため、次のような配慮をしましょう。

  • 部屋のなかで暴れない
  • 窓を開けて大声を出さない
  • 深夜に大人数で騒がない
  • ゲームやテレビを大音量にしない
  • 楽器にはヘッドフォンを使う
  • 椅子を引きずらない

3.家具の配置を工夫する

家具の配置を工夫することも防音対策になります。たとえば、テレビやスピーカー、ピアノなど音のでる機器は、

  • 廊下側・隣室に面した壁側を避ける
  • 壁から少し離して設置する

ことで振動が伝わりにくくなります。


外からの騒音が気になる場合は、隣室に面した壁側に大きな家具を配置すると、防音壁のかわりになります。その場合も、壁から少し離すのがポイントです。

4.ペットをしつける

ペットの鳴き声は、よくある騒音トラブルの原因の一つです。ペット飼育可の賃貸物件であっても、周囲への配慮は必要です。ペットがムダ吠えをしないようにしつけたり、ストレスをためない環境作りをしましょう。

騒音に悩まない賃貸物件の選び方

新生活を始めてから騒音に悩んだり、防音対策をしたりするのが嫌な方は、騒音に強い物件を選ぶことが大切です。騒音に悩まない物件選びのコツは次の5つです。

1.RC造の新しい物件を選ぶ

2.隣の住戸との接点部分を確認する

3.内見で音漏れと周辺環境をチェックする

4.近隣住民の情報を聞く

   

5.不動産会社に希望を伝える

1.RC造の新しい物件を選ぶ

騒音に悩みたくない方は、RC(鉄筋コンクリート)造の賃貸物件を選びましょう。RC造の建物に使われているコンクリートは密度が高いため、空気伝搬音(特に低音)が伝わりにくい特徴があります(ただし、固体伝搬音は防げません)。木造の建物は通気性がよい分、防音性が低いため避けましょう。


新しい物件のほうが、窓やドアなどに隙間がなく音漏れの心配がありません。

2.隣の住戸との接点部分を確認する

周囲からの騒音が気になる方は、隣(階下)との接点が少ない、または離れている物件を選びましょう。具体的には、

  • 隣室がない角部屋
  • 1階の部屋
  • 接点部分が収納やトイレ・お風呂になっている物件
  • 戸境壁や床の厚さが18cm以上ある物件

などです。


寝室が隣の住戸のリビングに接しているような物件は、生活音が気になりやすいため避けましょう。

3.内見で音漏れと周辺環境をチェックする

内見時には、音漏れや設備の防音性、周囲の環境を確認しましょう。


音漏れの調べ方には、壁を叩く・部屋の中心で手を叩くという2つの方法があります。壁を叩いたときに高く軽い音がしたら、壁の中は空洞で音漏れしやすいと考えられます。RC造の物件でも、壁がすべてコンクリートでできているとは限りません。四方の壁をきちんとチェックしましょう。


また、部屋の中心で手を叩き、反響音がなかったら防音性が低いと判断できます。設備面では、窓やドアの遮音性や建具の隙間などを確認するとよいでしょう。


環境面では、

  • 小学校
  • 飲食店
  • 商業施設
  • 大きな道路
  • 路線

などが近くにないかを確認します。曜日や時間帯によって騒がしさが違う場所もありますので、要注意です。

4.近隣住民の情報を聞く

騒音トラブルを避けるには、近隣住民の情報を知ることも大切です。不動産会社や管理会社に、

  • どのような世帯(単身・ファミリー層など)が多いか
  • 過去に騒音トラブルがあったか

などを聞いてみましょう。共有部分や掲示板に貼ってある注意書きをチェックするのもおすすめです。

5.不動産会社に希望を伝える

  • 小さい子どもがいる
  • 楽器を演奏したい
  • ペットを飼いたい

などの事情がある方は、物件選びの際に不動産会社にあらかじめ伝えておきましょう。自分の希望にあった物件を紹介してもらえるため、騒音トラブルが起こりにくくなります。

まとめ

賃貸で防音対策をしたい方は、簡単に取り外しができる

  • 防音テープ
  • 防音パネル(シート)
  • 防音カーテン
  • 防音マット

などがおすすめです。家具の配置や生活に少し工夫を取り入れるだけでも、騒音は防げます。


これから物件を探す方は、建物の構造や設備、周辺環境をチェックして、騒音に強い物件を選びましょう。

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